鍛錬

世田谷支部の稽古日数が三百日を超えた。

たかが三百日。ただ、一日とて同じ稽古はなく、そしてその殆どはコロナ禍の中であった。まだまだ若い道場だが、三百日の稽古はたしかに道場の三百日分の血肉となっている。

道場は単なる場所や人の集まりではない。それぞれの道場には特有の気風があるものである。そして、その気風は、薄紙を重ねるように地道な稽古を繰り返すことで少しずつ培われていく。

宮本武蔵の五輪書に「千日の稽古を鍛とし 万日の稽古を錬とす」とある。修行者の心得であるが、道場にも当てはまると思う。

いずれ千日、万日を迎えるとき、少しはその気風を誇れる道場になっていることを願う。

大東流合気柔術副本部長・世田谷支部長
臼山秀遠

「鍛錬」は刀を作る上で重要かつ不可欠な工程でもある